料理教室開業をご検討の方必見!!開業までの準備、必要なこと全部話します。
料理は人気の習い事です。最近では、男性、親子一緒に、子ども・・・老若男女さまざまな層の料理教室も増え、さらにはリモートワークの普及で自炊需要が高まりによって料理教室が注目されています。
なにより最も大切な第一歩は、「料理が好き、料理をもっと伝えたい!」その熱い思いです。
そうは言っても・・・何から手をつければいいのかわからないという人のために、ここでは「料理教室を開業するためのポイント」をお伝えしたいと思います。
料理教室開業に向いている方
華やかな職業に見えますが、料理教室として独立して成功する人は限られています。ではどんな人がこの料理教室開業に向いているのでしょうか?
大好きの情熱こそがとにかく一番大切です。
料理に対して、いろんな工夫を行い挑戦すること、そして料理をきれいに見せるのが好き。
人の様子や表情を瞬時に汲み取ってい教えたりするのでコミュニケーションはとても大切です。
作業を順序立て、限られた時間に効率よく進めないといけませんので想定外のことが起こったり、上手く行かなかった場合の対処まで考えておく必要があります。
料理教室に関するデータ
料理作りが苦手、あるいはもっとスキルを磨きたいという方にとって魅力的な料理教室。 調査によると、2015年度の料理教室の市場規模は590億円ほどと言われており、年々増加しているようです。女性の社会進出による背景やテレビなどでも男性が料理をする番組が増え、男性も料理教室に参加するなど、新たな顧客創出が見られてきています。またコロナ渦により外出があまりできなくなった今、料理に時間をかけてきており、ますます市場規模が大きくなる勢いです。
新型コロナウイルス感染症拡大による家庭料理の変化」に関するアンケート調査(※1)では、自宅で料理をする機会が増えた方が69%、料理の悩み事では「献立やレパートリー」が61%というデータがあったそうです。
また緊急事態宣言【期間中】、料理のアイデアを得るためにネットやSNSを閲覧する時間や回数は増えましたか?というアンケートには、増えたと答えた方が52%となっているようです。
(アイランド株式会社調査を参照)
他にも今後、料理に関してオンラインで参加あるいは閲覧したいものに関して、料理ライブ配信が50%、料理教室が42%となっているので、今後も個人から企業まで料理などのオンライン配信の活用は広がるのではないでしょうか。
資格は必要?
資格は必要ありません。「料理を教えたい、みんなに広めたい」という気持ちが一番大切です。むやみに資格を取るより、気持ち、わかりやすさ、楽しさを重要視しましょう。
ただ料理の資格は、いろんながありますので、その一例をご紹介します。
- 野菜ソムリエとは?
「一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会」が認定する民間資格で、野菜や果物の知識が深められ、野菜の専門家として活動できます。使命は、生産者と生活者の架け橋となることですが、野菜・果物の目利き、栄養、素材に合わせた調理法など毎日の食生活に欠かせない野菜・果物の幅広い知識を身につけることで、健康や食に関わるさまざまなものに役立ちます。
- 食事インストラクターとは?
NPO日本食育インストラクター協会でプライマリーによる資格段階は5つに分かれており、通信教育で基礎を学ぶ「プラマイリー」から、養成推進校で学ぶ「4級〜1級」までがあります。2級と1級は、国家資格や実務経験が要件となっています。“食育”を基礎から学び、日々の生活に活かし、広く推進・社会で活躍できる”食育”の指導者の証となる資格です。
個人的にはむやみに資格をとる必要はないと思っています。何らか極めたいというときの選択肢としては、取得も良いかも知れません。
料理教室の開業に必要な法的な手続きとは?
趣味で料理を教える場合には、特に届出をする必要はありません。ただ個人の自宅で何かの教室を定期的に開くということは、自営業として開業となりますので場合は、「個人事業の開廃業等届出書」の提出が必要です。これは事業を始める人すべてに必要な書類です。届出書は開業してから1ヶ月以内に、現住所の管轄する税務署に提出しなければなりません。手続きは簡単で、届出書に必要事項を記入して提出するだけで済みます。もし、届出を忘れてしまっても、確定申告をすることで、個人事業主の届け出を行うことになるため、特に問題にはなりません。もう1点、開業届は税務署の他にも都道府県税事務所にも個人事業開始申告書を提出することになっています。しかし、実際には所得が 290 万を超えなければ事業税が発生しないので、この申告書を提出せずに事業を開始する人が多いです。
開業届について
開業届とは、「これからこのような事業を始めます」という報告書のようなもので、税務署に提出します。個人事業の「開業届」は 2 種類あります。税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」と、都道府県税務署に提出する「個人事業税の事業開始等申告書」です。
開業届を提出するメリットもたくさんあります。
① 「青色申告書」で節税できます
開業届を提出すると、確定申告の際に青色申告書で申告ができるようになるのですが、この青色申告書を使って確定申告をすると、節税になります。
② 屋号の名義で銀行口座を作ることができます。
屋号を正式に決め、その名義の銀行口座を振込先として提示することで、個人名で活動するよりも社会的な信用は上がります。
④ 家族への給与を経費にできます
⑤小規模企業共済に入ることができます
個人事業主にとって忘れてはいけない『小規模企業共済』は、退職時や廃業時に給付金をもらえる制度です。
料理教室開業までの流れ
基本的には以下のような流れになっています。
1.コンセプトを決める
2. 開業する場所を決める
3. 開業資金の調達
4.開業届の提出
5. レッスンの内容や価格を決める
6.集客
コンセプトとは「概念」や「テーマ」のことをいいます。
- 自分のやりたい事をノートに書き出してみましょう
優しい雰囲気の教室、明るいお教室など・・・
- 生徒さんが求めている事を考えてみましょう
- 世間のニーズは??
料理教室に足を運んでもらうには「ここにしかない付加価値」が必要です。たくさん悩んだり相談したりしてコンセプトを決めましょう。
●自宅で開業する
自宅で開業する場合、初期費用や家賃といった諸経費を大きく抑えることができます。一度に大人数を相手にするのには向きませんが、知人を中心に小規模な教室を運営したい場合は一番適した方法です。
●キッチンスタジオをレンタルする
レッスンの頻度がそこまで多くないのであれば、都度キッチンスタジオをレンタルするという方法もあります。こちらも自宅での開業と同じく初期費用を抑えることができます。教室として使えるレベルのキッチンであれば、1時間あたり1,000円~5000円ほどで借りることができます。
●テナントを借りる
それなりの資金を用意する必要はありますが、生徒数が多くなってきても対応することができ、内装や調理器具にもこだわることもできます。
どこで開業するかによって初期費用は大きく変わってきますが、一般的な開業場所ごとの必要資金の目安です。
●自宅で開業する場合
自宅で開業する場合、ある程度キッチンに広さがあるのであればそこまでの初期費用は不要です。生徒用の調理器具を用意する場合は、10万円ほど用意しておくとよいでしょう。
●キッチンスタジオをレンタルする場合
キッチンスタジオを借りる場合も、自宅で開業する場合と同じく初期費用はそこまでかかりません。1レッスンあたりにかかる施設のレンタル費用はだいたい1万円ほどですので、開催したいレッスンの回数×1万円程度は最低でも用意しておいた方が良いでしょう。
●教室用のテナントを借りる場合
テナントを借りて料理教室を運営する場合、最低でもおおよそ100万円以上は必要になると考えておいた方が良いでしょう。もちろん工夫すれば、費用を抑えることも可能です。
●教室の設備について
どの場所で開業するにしても、食器類や調理器具をはじめ、作業スペースの確保、インテリアなど、生徒を受け入れるための設備を少しずつ整えましょう。初めのうちは予算に合わせて必要最低限の設備を用意し、徐々に揃えていくと良いです。開業後に予想外のコストがかかることも考慮し、初期投資に費用をかけすぎないようにも大切です。
レッスン1回の生徒の定員数を決めましょう。あまりにも少なすぎると、複数の欠席者が出た際にレッスンが盛り上がらなかったり、成り立たなかったりします。逆に生徒の人数が多すぎるとすべてに目が行き届かなくなり、教えるのが大変になります。場所によっても最適な人数は変わってきますが、4人~8人くらいでしょうか。次にレッスンの所要時間を決めましょう。所要時間はだいたい2.5時間~3時間で時間帯は主婦向けなら子供が学校に行っている時間帯(例えば午前10時や11時スタート)、会社員向けは土日や仕事終わりの時間帯などが教室に通いやすい時間帯です。メニューによっては下ごしらえが必要ですので、その時間も考慮してください。最後にレッスン料金を決めましょう。またレッスン1回ごとに料金を徴収するか、月謝制にするか、入会金を設けるかなどの細かいことも決めます。料理教室の開業以上に難しいのは、経営を安定させることです。自分の開業スタイルで満足できる運営を行うためにもしっかり決めておきましょう。レッスン費をあまり安くすると経営が続けられません。適切な料金を設定しましょう。ここは努力が必要です。
教室を開いただけでは、生徒は集まりません。開業前から何らかの形で告知が必要です。
集客を行っていくにあたって、まずはホームページなど案内できるものを用意をしましょう。いきなりホームページを作成しなくとも、無料のものがありますのでうまく活用しましょう。料理教室検索サイトやポータルサイトなどもたくさんあります。そこをホームページ代わりに使用するのも良いと思います。
これは小規模な教室では不要かとも思えますが、せっかく知ってもらっても、ホームページやそこの情報が無いと「本当にちゃんとした教室なのか?」と不安に思われてしまう可能性もありますので、ぜひ用意しましょう。
●チラシ配りやポスティング
自宅であれテナントであれ、店舗を構えて運営する場合は地域の住民に知ってもらう必要がありますので、店舗の付近や駅前でチラシを配るのが有効です。
●SNSで宣伝
最近では、SNSでお客様を集める人も増えています。
- YouTube
特に写真や動画がメインになるInstagramなどは伝わりやすいですね。また料理教室の経営を安定させるためには、リピーターを獲得できるかがポイントになります。生徒が何度も通いたくなるようなレッスンを構成することが重要です。ハロウィンやクリスマスなど、季節のイベントに合わせて季節ごとの料理の提案を行ったりいろんな事を考えましょう。
まとめ
料理教室を開業するのには、資格や免許などはとくに必要ありません。自宅を利用して開業するのであれば、開業資金もかなり安く済みます。料理教室は誰にでもはじめられ非常にチャンスがある職業です。そして料理教室という仕事は、わたしたちの命にもかかわる「食」に関する仕事ですから、とても大切で素晴らしいものです。
料理を学んで、料理の魅力をいっぱい広げていきましょう。